立ち上がりから濃厚な土系の香り。というか、まず見た目からオイルの光沢と明るさを持った濃い目の茶色が綺麗。マイルドだけど、底にある強さはなかなかでコクも強い。キューバ産独特の粘るような甘みもしっかりある。煙が口内に入った瞬間、舌の側面と中頃にからみつく感じだろうか。
この感覚はキューバ産ならでは。今まで沢山吸って来た筈なのに毎回不思議に思う。
植物を醗酵させて火をつけた煙なだけなのに、なぜこんなに複雑な味わいなんだろうと。その単純そうに見える繊細さが魅力なんでしょうなあ。美味い。
コイーバが独特のナッツ系の甘みに近い物だとしたら、
パルタガスは植物系の甘みに近い気がする。徐々に強さもアップ。
本当に僅かだけど、甘さの奥に酸味も感じる。いやな酸味ではなく
植物系の心地よい酸味。この僅かな酸味が味に微妙なアクセントを付けている様な。
中盤からは甘みと酸味の混合が強くなり、らしい味わいになってくる。
序盤は強めに感じたのでゆっくり吸っていたんですが、
少し欲張って多めに煙を吸い、たっぷりと舌で転がしてみる。
口内の酸味を感じた後、すぐに鼻腔に甘さが通る連続技が心地良い。
2コンボヒット。やりすぎると胃に来るので注意しました。
終盤は再び強さを感じやすくなり、心地よい良い具合の酔いが回って来る。
鼻腔を通る甘みは口内の煙に移動し、酸味と甘みが折り重なった煙で一杯に。
ギリギリまで味わう。さすがに酸味が強くなり終了。でも苦味は無かったです。
名声に違わぬ味わいで満足。多くのレビュー(特に海外)において
強烈な甘みと称されることも多いですが、個人的には
甘みと酸味のバランスが良い感じ。むしろその酸味があるからこそ
前面の甘みを感じやすいのではないかと思う。このあたりのサジ加減が絶妙。
濃い目の個性と最後まで続く甘みで言えば、同サイズとしてコイーバのシグロIに
軍配が上がりそうですが、このバランス感覚はパルタガスのみの味わい。
良い葉巻でした。他のも試さねば。