■ホヤ・デ・ニカラグア アンターニョ■ ニカラグア産 ★★★★★★
立ち上がりからすでに重い。最初はスパイシーというのは数あれど、
一口目からる後半の凄まじさを予想させるフルボディさだ。
わずかな甘みとカカオに似た香ばしい味わい。ちょうど舌の上に煙が来るように吸うと、
樹木系の強い味わいが広がる。これがすごく心地良い。
が、まだ半分行ってないのに中々の強さ。強さと言っても数多くあり、
胃に来る物、強烈なスパイシーさのある物、強いタバコ味を感じる物、
色々あるがこれは吸い心地云々ではなく、直接ガツンと脳に来る感じ。
一口ごとに鼻腔から脳の中央あたりに圧力を感じ、その後すぐ前頭葉辺りがジワーっと来る。
つまり、初めてタバコを吸った時の、あのじんわり感と似ている。
徐々に食道にかけてもインパクトが。これは油断ならない。美味いけど。
中盤からはレザー風味の香りと樹木系の味が強くなる。
終盤は力強いコクに支配されつつも、粗未はまったく無い。
レザー風味の奥にわずかな塩味が。それに比例して強さもどんどん
上がっていくので、ペースはさらにゆっくりと。
灰はまだ一度も落としていない。硬くて少しばかりの衝撃を与えただけでは
簡単に落ちない。こんな所までハード。
塩味と共に苦味が出て終了。ゆっくりとギリギリまで吸った。
結局、灰は一度も落とさなかった。そのおかげか強さは若干抑えられたかと。
強く、それでもって最高に美味しい一品だった。正直、「良くてそこそこだろう」と
思っていた自分いたんですが、ハバノとはまったく違う個性を出しながらも、
ここまで高品質とは思っていなかったです。それでいて国内価格700円という
コストパフォーマンスの良さ。強さは人を選ぶだろうが、個人的には
文句無しの満点をあげたい葉巻でした。と、書ききったところで、
なんだか頭がボーっとする自分に気がついた。アウアー。
本格派キューバは高く、しかし廉価版ではイマイチで、それ以外の産地は
個性に欠けると思っていたユーザーには目から鱗ではなかろうかと。
コンディションを整え、もしこれが終盤まで大丈夫な方なら箱買いも良いかと。
私はそうするつもりです。が、やはり強さで「万人にお勧め」は出来ない。
かの時代のアメリカで好まれたブレンドを再現しているらしいこの葉巻は、
名の通り、60~70年代に東側とジリジリ睨み合っていたアメリカを象徴する味わいだった。
ホワイトハウスのタカ派が咥えてこその味かもしれない。
ハードな葉巻=白人高官=タカ派という、ステレオタイプな想像なんですが(笑)。
1ランクマイルドなバージョンもあるので、後日そちらをレビューしてみたい。
やや辛みはあるが荒さはない。コーンと干草の香り。安い割には悪くないが良くもない。
吸い込みが硬かったのはプリトスサイズだったからだろうか…しかし…
まあ、上の“しかし…”の続きは「5本あるうちの全部が超硬い」と続くんですが、
まず味の前にこの吸い込みの硬さはなんであるかと。
ようかんを細ッいストローで吸う感じ。アゴ筋との戦いだ。
安かろう悪かろうの判断は葉巻にはあてはまらない。安いものでも抜群に美味いブツが
あるのだ。しかしこの銘柄には残念ながら当てはまるような気がする。
そういうもんなんだろう。うん。
味は絡みの強い穀物系。コーンやトーストに似た風味を僅かに感じる。ただ、コーン系の穀物風味で言えば、ティ・アモには及ばないんでなかろうかと。ティ・アモもむちゃ安いので試しにどうぞ。ハマればラッキーだ。一つ大いに評価できる部分があるとしたら、辛さはあるものの極端な荒味がない事だろうと思う。
普通、安くて微妙なニカラグア物やコスタリカ物は吸った瞬間、胃に来るような厳しい粗味がつき物で、最後まで吸う事それ自体が試練とも思える物が多いんですが、本銘柄にはそれがない。ただ少し辛いだけ。険しく貧相な中に一つの優しさを発見した瞬間だった。だからと言って美味いわけではないんですが。
でもこんな安いんだったら安価なハバノスとかビリガーとか美味いドライシガーを
吸えば良いのではとか、そんな事は言っちゃだめ。キンテロやビリガーが別格なのだ。
別にクリリンや亀仙人が弱いわけではない。サイヤ人が強すぎるのだ。
チューブのデザインは好み。