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■モンテクリスト No.2 ■  ★★★★

幅広く受け入れられている有名銘柄。にもかかわらず、個人的には
あまり印象に残った事が無く、いまいち手が出にくかった。
さて強烈と言われるNo.4はどうだろうか?


■見た目とは裏腹に…?


大きくマッチョな風貌からは想像できないマイルドな立ち上がり。
モンテ系の味と言えばそれまでなんですが、他ナンバーズと比べて
コクと甘みが強い。これはサイズの所為なのか、或いはブレンドなのか。
樹木系の香りと甘みを含んだコクで、味自体がリッチな気がする。
大人気のNo.4は個人的にはやや個性が薄く箱買いには至らなかったんですが、
これはコクと甘みがモンテにしては豊かなので十分に味わえる。
樹木系の香りと共に、カカオ系のコクと僅かに蜂蜜の甘み。
コクと香り双方共に控えめながらバランスを取り合っているイメージなので
さほど強さは感じなかったのですが、徐々に強烈さを感じてくる。

と、いきなり樹木系のコクが強くなり、胡椒のような酸味が出てきた。
かなり急に出てきたので驚く。味も強さもだんだんとアップしていく様だ。
舌先と口内粘膜に刺さるような、今までに無かった味も。



■やっぱりなマッチョガイ

最初のマイルド云々は何処へやら中盤以降の急激な変化が凄い。
マッチョな風貌通りの強烈さだが、同じく中盤に出てきた
蜂蜜系の甘みも維持されているので苦にはならないが、
唯のスパイシーさとは違う、胡椒系の強さには驚く。
旨み自体もかなり濃くなって来ており、終盤に強烈になる部類に
ありがちな、荒味で埋め尽くされるような事は無い。
このあたりのクオリティの維持は流石。

前半と後半のギャップが凄まじい。
ぐっと来る個性には乏しいイメージのあったモンテ系の中でも
かなり異質な部類に入るのでは。
あと樹木系の香りが僅かですが、
スカスカした雑味として感じる事も。控えめな香りを薄味として認識してしまう、
自分の舌の問題かもしれない。さすがに評価は二分しているようで、
国内外問わず「特別な一本」か「二度と手を出したくない」の
両極端に分かれている。個人的には美味しかったが、
「疲れる葉巻」である事は確かな模様。


 Montecristo No.4  たよれ(すぎ)るマッチョガイ。
mon4.jpg


















 FN
:Torped R:52  L:15cm / 6,0 inc


 

 

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■タバカレラ・コロナ■ マニラ産 ★★★★★

有名な安価葉巻。されど侮れない実力を持っていると思う。
初めて購入した2003,4年頃は素のままでボックスに入っていた気がしたが、
最近購入した数十本は一枚一枚フィルム包装が施してある。
そういえば近年から出荷前の冷却除虫も導入したとか。
安葉巻故にあまり宜しくない印象を持たれがちな銘柄だが、さてどうだろう。


■濃厚な甘み


スパイシーさもそこそこに軽めの立ち上がりだが、すでに甘みがある。
鼻腔を通る香りはマニラ葉独特の甘みで、植物系を通り越した穀物系。
サツマイモの皮のような香りがしてホクホクした感じ。

舌に絡む甘みはキューバ産の得意芸だが、このマニラも中々の甘みで、
構内粘膜でじっくり感じる甘みと言った感じ。
香り云々ではなく、ハッキリと甘みを感じる事が出来る。
雨上がりの落ち葉のような土壌系の香りは確かに好き嫌いがありそうだが、
ある程度寝かせれば、さほど極端な臭いはしないが、
わずかに香りの奥にスパイシーさとは違う雑味がある。が、許容範囲。
キューバの高級銘柄にも同じような雑味はあるにはある。

穀物系の香りはやや乾いた感じの土壌系に変化。
乾いた感じの煙なので少し喉が渇く(自分だけ?)ものの、
コクがありながら強さはさほどでもないので、後半もかなり気軽に吸える。
煙を吐いた後に青臭さも感じるが、言われている程ではないし、
この少し癖のある終盤が、実は好きだったりする。
ラストはサツマイモを越え、ボイルしたジャガイモのような豊満な香り。
この銘柄でしか味わえない甘みと、土壌系&穀物系の香りを十分に堪能出来る。


■安葉巻の噂は真実か否か


ビートルが沸きやすい、アンモニア臭がする等々、
とかく悪いイメージが付きまとう銘柄だが、
1-2週間でも良いので加湿させて見るのがお勧め。
確かに癖はあるが、穀物系のクリーミーさと言う
マニラ葉でしか出せない真価を味わってこそだと思う。
言われている様な極端なアンモニア臭は熟成不足の感があり、
ある程度寝かせれば十分満足行くクオリティになる

国内流通価格で25本のボックスを買っても数千円なので、
加湿の練習として一度試してみてはどうでしょうか。
タッパーやクーラーボックスでの加湿でも十分なので、
ここは思い切ってみるのも一興。
むしろすぐに吸って雑味の印象を持ってしまうのは勿体無い。
値段で妥協してオランダ物のドライで辛い思いをするくらいなら、
このタバカレラをお勧めする。後味に青臭さを感じてしまう方は、
珈琲などで合わせて見ても良いかも知れない。


La Flor de la Isabela - Tabacalera やや乾いた質感。taba.jpg

















Tabacalera Perdomo
http://fujipub.com/perdomocigars/


■クアバ・ヘネロソス■ キューバ産 ★★★★★

フィギュラドスタイル。産業革命時代ではポピュラーだったが今や珍しい形。
ディヴィノスが非常に好みだったのでこのサイズの物にもチャレンジ。

まずこのシェイプの宿命として、最初の立ち上がりと序盤の吸い込みが
非常にタイト。多少なりとも頬の力も使う。カットもギロチン以外では
なかなか出来ず(パンチカットは事実上不可能である)、
必然的に辛味が増すので、やや余裕を持った位置でカット。

強さがありながら乾燥した林檎のような、独特のフルーティーさ。
ディヴィノスでも感じた土壌系のコクと、牛乳のようなクリーミーさも十分で、
コーヒーで合わせたりもしますが、これ自体に甘みが強いので、
モルト等スタンダードなお酒と合わせるのが良いのかもしれない。
あー、この林檎とクリーム系の味はやっぱり好み。
強さの変化は特殊で、多くのレビューで書かれている通り、
終盤よりも、一旦太くなっている部分に差し掛かった前半あたりに
強烈さが来る。ある程度抑え気味で吸わないとクラっと来るかも。

他では中々見られない燃口
ca1.jpg







 

最も太い部分を越えると、程よい強さを残しつつ徐々にマイルドになって来る。
強さ&果実風味&クリーミーさと、かなり豪勢と言うかリッチな味。
燃えた暖かい煙も、焼き菓子のようなイメージで心地良い。
林檎臭がもう少し甘酸っぱい味に変化。カラメルのような甘さではなく、
酸味と共にある果実の甘さで、同じ果実酸味系のロメオより濃く感じられる。

終盤、潜在的な強さはかなりのものですが、口当たり自体はマイルド
香りは控えめとなるも、雑味や辛味とは無縁で濃厚な味。美味しい。
ギリギリまで吸いつつ終了。やはり期待を裏切らない。
この濃厚な甘酸っぱさと、他の銘柄には存在しない乳製品のような
独特のクリーミーさを味わって頂きたい。

尚、先端近く細めにカットすると少々濃すぎるので、
自分はバンドのやや下あたりをカットしている。
カットする位置で味を調整してみるのも面白いかも知れない。

Cuaba_Generosos   独特の形。カットした先端が可愛い。
ca3.jpg
















PV:Figurado FN:Figurado 
Ring:42 L:132mm/5.1inc


■ヘンリーウィンターマーズ ハーフコロナ■ ドライシガー ★★★★★

ドライでありながら上質なハーフコロナで説明不要の有名銘柄。
オランダ物に多くある極端な辛さや荒味はまったく無い。
ほどよく熟れた煙草のコクと植物系の旨み。舌に乗る甘味も手伝ってか、
鼻腔に通る煙もハーブ系で甘酸っぱい感じ。
おおざっぱに言えばですが、香りの系統としてはロメオに近いだろうか。

ドライ特有の乾いた旨みプラス、やはりこの少し熟れた感じの煙草感が良い。
このコクがなんとなくハバナを思わせるコクで、たぶんですが製作者も
ある程度はハバナの代用品として意識したのではと思わせる。
半端なプレミアムシガーより断然美味しい。僅かながら味の変化もあり、
後半やや辛くなりますが、同時に甘味と香りも増すのでOKでしょう。

サイズがサイズなので勢いを付け過ぎると強くなりすぎるので注意。
ドローもスムーズで…というか非常に良い。良過ぎる位良いので、
少し過燃焼気味だろうか(これを吸うと毎回こうなんですが)。

辛いオランダ物の中にあって、コクと旨みを追求した銘柄。
舌に乗る甘味はハバナ特有の旨みなんですが、それに近い味を実現してこの価格。
そういえば、今でこそ葉巻を海外輸入で大量発注し楽しむ毎日ですが、
葉巻に手を出し始めた頃、当時24の若造にはまだまだプレミアムは手を出し辛く、
この銘柄とビリガーで、なんとなく練習するような事をしていました。
尚、同じオランダの有銘柄である『パンター』シリーズも練習にと思いましたが、
アレは今吸っても辛い印象なので、当時の自分は「葉巻って辛い!怖ぇえー。」等と
思ってしまった事もあり、懐かしくも恥ずかしい思い出(笑)。

henri-wintermans.gif










例の馬ロゴ。デザインも良い。

■コイーバ シグロ III■ キューバ産  ★★★★★

ニカラグアやホンジュラス物が多い本ページにおいて、やっと真打登場。
嗅いで見ると香りが強く、この時点からすでに別物の風格。
着火直後の煙と共に鼻にかかる甘みが心地良い。ミディアム強~フルあたりの
葉巻なんですが、それに伴う恍惚感と香りで強すぎるニコチンは相殺されている模様。
鼻を通して煙を吐いた際の恍惚感が心地良い。
開始2分で快楽に堕つ…これはいかんな(良い意味で)。
長さがあるので、まだ強烈なコクこそ出ていないものの、序盤は爽やかさがあります。

シグロIは焼き栗やカカオのようなナッツ系の旨みを強く感じるのですが、このシグロIIIには
若干の植物的なアロマを感じる。爽やかに感じた正体はこのハーブ感かも。
中盤、強めのコクと共にナッツとココアの様な風味が出てくる。
このあたりの味こそがコイーバの本領発揮だろうか。強さも増してきたのでペースダウン。
微妙に焦げを付かせた和菓子を連想させる濃厚な香り。マイナーな例えで恐縮だが、
岡山県の大手饅頭を焼いた時の、麹と饅頭に焦げ目を付けたような良い香りがする。
麹に似た香りと言うことは両者とも発酵物なので、葉が良く熟されていると言う事だろう。
このあたりの丁寧な熟成作業を思わせるクオリティが名作と言われる所だろうか。

吸い始めてかなり経ったが極端な味の劣化は起こらず、
終盤はハーブ的な香りが薄くなり、焼き栗系のナッツ感とコクがさらに強くなる。
ギリギリ近くまで吸いつつ、渋みが出て来たので終了。
喫煙時間の所為もあると思うんですが、満足感はかなりのもの。
輸入で購入しているのですが、海外価格でこの満足感ならばかなりのお得。

Cohiba_Siglo III この黄色の色合いはすごく好き。
cohi.jpg














 1960s~ PV:Corona FV:Coronas Grandes
 Ring:42 155 mm / 6.0 inc

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