前半と後半のギャップが凄まじい。
ぐっと来る個性には乏しいイメージのあったモンテ系の中でも
かなり異質な部類に入るのでは。あと樹木系の香りが僅かですが、
スカスカした雑味として感じる事も。控えめな香りを薄味として認識してしまう、
自分の舌の問題かもしれない。さすがに評価は二分しているようで、
国内外問わず「特別な一本」か「二度と手を出したくない」の
両極端に分かれている。個人的には美味しかったが、
「疲れる葉巻」である事は確かな模様。
Montecristo No.4 たよれ(すぎ)るマッチョガイ。
FN:Torped R:52 L:15cm / 6,0 inc
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舌に絡む甘みはキューバ産の得意芸だが、このマニラも中々の甘みで、
構内粘膜でじっくり感じる甘みと言った感じ。
香り云々ではなく、ハッキリと甘みを感じる事が出来る。
雨上がりの落ち葉のような土壌系の香りは確かに好き嫌いがありそうだが、
ある程度寝かせれば、さほど極端な臭いはしないが、
わずかに香りの奥にスパイシーさとは違う雑味がある。が、許容範囲。
キューバの高級銘柄にも同じような雑味はあるにはある。
穀物系の香りはやや乾いた感じの土壌系に変化。
乾いた感じの煙なので少し喉が渇く(自分だけ?)ものの、
コクがありながら強さはさほどでもないので、後半もかなり気軽に吸える。
煙を吐いた後に青臭さも感じるが、言われている程ではないし、
この少し癖のある終盤が、実は好きだったりする。
ラストはサツマイモを越え、ボイルしたジャガイモのような豊満な香り。
この銘柄でしか味わえない甘みと、土壌系&穀物系の香りを十分に堪能出来る。
■安葉巻の噂は真実か否か
フィギュラドスタイル。産業革命時代ではポピュラーだったが今や珍しい形。
ディヴィノスが非常に好みだったのでこのサイズの物にもチャレンジ。
まずこのシェイプの宿命として、最初の立ち上がりと序盤の吸い込みが
非常にタイト。多少なりとも頬の力も使う。カットもギロチン以外では
なかなか出来ず(パンチカットは事実上不可能である)、
必然的に辛味が増すので、やや余裕を持った位置でカット。
強さがありながら乾燥した林檎のような、独特のフルーティーさ。
ディヴィノスでも感じた土壌系のコクと、牛乳のようなクリーミーさも十分で、
コーヒーで合わせたりもしますが、これ自体に甘みが強いので、
モルト等スタンダードなお酒と合わせるのが良いのかもしれない。
あー、この林檎とクリーム系の味はやっぱり好み。
強さの変化は特殊で、多くのレビューで書かれている通り、
終盤よりも、一旦太くなっている部分に差し掛かった前半あたりに
強烈さが来る。ある程度抑え気味で吸わないとクラっと来るかも。
他では中々見られない燃口
最も太い部分を越えると、程よい強さを残しつつ徐々にマイルドになって来る。
強さ&果実風味&クリーミーさと、かなり豪勢と言うかリッチな味。
燃えた暖かい煙も、焼き菓子のようなイメージで心地良い。
林檎臭がもう少し甘酸っぱい味に変化。カラメルのような甘さではなく、
酸味と共にある果実の甘さで、同じ果実酸味系のロメオより濃く感じられる。
終盤、潜在的な強さはかなりのものですが、口当たり自体はマイルド
香りは控えめとなるも、雑味や辛味とは無縁で濃厚な味。美味しい。
ギリギリまで吸いつつ終了。やはり期待を裏切らない。
この濃厚な甘酸っぱさと、他の銘柄には存在しない乳製品のような
独特のクリーミーさを味わって頂きたい。
尚、先端近く細めにカットすると少々濃すぎるので、
自分はバンドのやや下あたりをカットしている。
カットする位置で味を調整してみるのも面白いかも知れない。
Cuaba_Generosos 独特の形。カットした先端が可愛い。
ドライでありながら上質なハーフコロナで説明不要の有名銘柄。
オランダ物に多くある極端な辛さや荒味はまったく無い。
ほどよく熟れた煙草のコクと植物系の旨み。舌に乗る甘味も手伝ってか、
鼻腔に通る煙もハーブ系で甘酸っぱい感じ。
おおざっぱに言えばですが、香りの系統としてはロメオに近いだろうか。
ドライ特有の乾いた旨みプラス、やはりこの少し熟れた感じの煙草感が良い。
このコクがなんとなくハバナを思わせるコクで、たぶんですが製作者も
ある程度はハバナの代用品として意識したのではと思わせる。
半端なプレミアムシガーより断然美味しい。僅かながら味の変化もあり、
後半やや辛くなりますが、同時に甘味と香りも増すのでOKでしょう。
サイズがサイズなので勢いを付け過ぎると強くなりすぎるので注意。
ドローもスムーズで…というか非常に良い。良過ぎる位良いので、
少し過燃焼気味だろうか(これを吸うと毎回こうなんですが)。
辛いオランダ物の中にあって、コクと旨みを追求した銘柄。
舌に乗る甘味はハバナ特有の旨みなんですが、それに近い味を実現してこの価格。
そういえば、今でこそ葉巻を海外輸入で大量発注し楽しむ毎日ですが、
葉巻に手を出し始めた頃、当時24の若造にはまだまだプレミアムは手を出し辛く、
この銘柄とビリガーで、なんとなく練習するような事をしていました。
尚、同じオランダの有銘柄である『パンター』シリーズも練習にと思いましたが、
アレは今吸っても辛い印象なので、当時の自分は「葉巻って辛い!怖ぇえー。」等と
思ってしまった事もあり、懐かしくも恥ずかしい思い出(笑)。
例の馬ロゴ。デザインも良い。
シグロIは焼き栗やカカオのようなナッツ系の旨みを強く感じるのですが、このシグロIIIには
若干の植物的なアロマを感じる。爽やかに感じた正体はこのハーブ感かも。
中盤、強めのコクと共にナッツとココアの様な風味が出てくる。
このあたりの味こそがコイーバの本領発揮だろうか。強さも増してきたのでペースダウン。
微妙に焦げを付かせた和菓子を連想させる濃厚な香り。マイナーな例えで恐縮だが、
岡山県の大手饅頭を焼いた時の、麹と饅頭に焦げ目を付けたような良い香りがする。
麹に似た香りと言うことは両者とも発酵物なので、葉が良く熟されていると言う事だろう。
このあたりの丁寧な熟成作業を思わせるクオリティが名作と言われる所だろうか。
吸い始めてかなり経ったが極端な味の劣化は起こらず、
終盤はハーブ的な香りが薄くなり、焼き栗系のナッツ感とコクがさらに強くなる。
ギリギリ近くまで吸いつつ、渋みが出て来たので終了。
喫煙時間の所為もあると思うんですが、満足感はかなりのもの。
輸入で購入しているのですが、海外価格でこの満足感ならばかなりのお得。
Cohiba_Siglo III この黄色の色合いはすごく好き。
1960s~ PV:Corona FV:Coronas Grandes
Ring:42 155 mm / 6.0 inc
プリトスサイズ缶入りの6本で6000千円。なので一本1000円である。ひい。まろやかに感じるけど以外にもフルボディ。他のダビドフナンバーズより少々濃い目。牧草系の香りで強すぎず軽すぎずのバランス。一瞬、荒味かと思うような味があるが、すぐに程よいスパイシーさと気付く。すべてにおいてギリギリのバランスで保っているイメージ。煙を吐く度に若草系とも樹木系とも言える、独特のクリーミーさがあって美味しい。
若草やフローラル系の香りとなると、極端な植物系の味と思う人もいるかも知れないが、しかし味の奥に上品なコクがしっかりあるのだ。このバランスがなんとも言えず心地良い。分かりやすい味があるわけでもなく、強いコクがあるわけでもないのに、凄いバランスで味を保っている。ショートフィラーでこの味が出せているからこそなのだろう。後半は樹木系の味が強くなり、同時に蜂蜜系のコクも出るので大変なクリーミーさで、同時に前半にあった鼻腔をくすぐる若草系の香りも十分生き残っている。まるで木に囲まれながら甘い樹液をすすっている様な感覚、と言えばロマンチックに「蝶」と表現するだろうが、樹木系のコクがるので「樹液を啜るカブトムシ気分」と言っておこう。
樹木系&フローラルの香りとクリーミーさが高まりつつ、終了。最後はワインコルクか、ブランデーのオーク樽に囲まれているような素敵な喫煙感だった。味だけでいえば最高品質のショートフィラーである事は間違いない。しかしこのサイズで1本1000円という値段。カブトムシ気分を味わう為に6000円出せるか否か。ダビドフのショートサイズなら1600円のエンクレアクトを買ったほうが良いのかもしれない。あちらも短いが、ある程度の太さがあるので満足度も高い。
]]>立ち上がりからナッツ系&ウッド系の芳香。乾いた感じがドミニカらしい。
鼻腔を通るコクはスパイシーだが、喉や舌にぴりぴり来るような辛さではない。
なんだろう、プライベートストックに高級感を出した感じだろうか(やや失礼)。
味や香りが似ているわけではないんだけど、煙の舌触りや鼻の奥に香るコクがPSっぽい。
このあたりのクラスにおけるドミニカ産の個性なのかも。
中盤からコクが増してくる。やはり辛さは無い。
ここまで来ると、さすがに舌触りに酸味とやや濃い目のニコチンを感じる。
吸い始めからが物足りなく感じていた方には嬉しいのではなかろうかと。
このあたりで“ボリューム感”にも1ポイントプラス。
ラベルのあったあたりの中ごろまで、つまりかなりギリギリまで吸う。
終盤は僅かに苦味が来る。しかし強くはない。爽やかな酸味を残したまま終了。
美味しい。味わいは確かに薄いけれども、独特の乾いたコクを
楽しめるのなら十分にあり。爽やかで吸いやすく、薄味だけど香りとコクはしっかりある。
でも疲れるような強烈さでは無く…、と書くと中途半端な印象もありそうですが、
低リスクで平均的に楽しめるオールラウンダーとも言える。
少なくとも自分はそう捕らえている。品質が安定しているのも功を奏しているのだと思う。
なにより吸い易くてコクがあるのは嬉しい。いくら美味しくて安価でも
ホヤ・デ・ニカラグアを紙巻のごとく吸えるタフガイはそうは居ないだろうし、
そういった意味では「ベストよりベターを最優先した良品」だと思う。
熟成による劇的な変化は期待できそうに無いけど、デイリーとして考えたら
ちょうど良い味と価格(国内価格750円)なので、箱買いストックもありなんじゃないでしょうか。
以上、ドミニカ産の魅力をたっぷり味わえる品でした。ごちそうさま。
立ち上がりから濃厚な土系の香り。というか、まず見た目からオイルの光沢と明るさを持った濃い目の茶色が綺麗。マイルドだけど、底にある強さはなかなかでコクも強い。キューバ産独特の粘るような甘みもしっかりある。煙が口内に入った瞬間、舌の側面と中頃にからみつく感じだろうか。
この感覚はキューバ産ならでは。今まで沢山吸って来た筈なのに毎回不思議に思う。
植物を醗酵させて火をつけた煙なだけなのに、なぜこんなに複雑な味わいなんだろうと。その単純そうに見える繊細さが魅力なんでしょうなあ。美味い。
コイーバが独特のナッツ系の甘みに近い物だとしたら、
パルタガスは植物系の甘みに近い気がする。徐々に強さもアップ。
本当に僅かだけど、甘さの奥に酸味も感じる。いやな酸味ではなく
植物系の心地よい酸味。この僅かな酸味が味に微妙なアクセントを付けている様な。
中盤からは甘みと酸味の混合が強くなり、らしい味わいになってくる。
序盤は強めに感じたのでゆっくり吸っていたんですが、
少し欲張って多めに煙を吸い、たっぷりと舌で転がしてみる。
口内の酸味を感じた後、すぐに鼻腔に甘さが通る連続技が心地良い。
2コンボヒット。やりすぎると胃に来るので注意しました。
終盤は再び強さを感じやすくなり、心地よい良い具合の酔いが回って来る。
鼻腔を通る甘みは口内の煙に移動し、酸味と甘みが折り重なった煙で一杯に。
ギリギリまで味わう。さすがに酸味が強くなり終了。でも苦味は無かったです。
名声に違わぬ味わいで満足。多くのレビュー(特に海外)において
強烈な甘みと称されることも多いですが、個人的には
甘みと酸味のバランスが良い感じ。むしろその酸味があるからこそ
前面の甘みを感じやすいのではないかと思う。このあたりのサジ加減が絶妙。
濃い目の個性と最後まで続く甘みで言えば、同サイズとしてコイーバのシグロIに
軍配が上がりそうですが、このバランス感覚はパルタガスのみの味わい。
良い葉巻でした。他のも試さねば。